介護現場のセラピーの種類

シニアセラピーとタッチセラピーについて

シニアセラピーとは、顔のマッサージや足裏マッサージをすることで血行を促進させて新陳代謝の活性化や唾液の分泌量をアップさせることを目的とするセラピーのことを言います。筋肉のコリをマッサージなどでほぐすことでリラックス効果もあるのでストレスの緩和につながるでしょう。シニアセラピーを行うためにはシニアセラピストの養成研修を受講する必要があります。なお、高齢者の薄くなってしまった皮膚に対して施術を行うためには、専門的な知識やスキルが非常に大切です。さらに、発熱や発赤、腫脹の有無などが原因で施術が出来ない場合もあるので注意が必要です。
また、セラピーの中でもチャレンジしやすいと言われているのが「タッチセラピー」です。高齢者の身体に軽くボディタッチするようにスキンシップを行うタッチセラピーは、心の安定化やストレス解消などのメンタルケアになります。教材のDVDが販売されている他、さまざまな機関や団体で研修を実施しているのでトライしやすいセラピーと言えるかもしれません。

メイクセラピーとアロマセラピーについて

女性にとって化粧をすることは、気分を上げるためにとても大切なことではないでしょうか。「メイクセラピー」は女性の高齢者に化粧をしてあげることで心のケアをすることができます。いつもよりキレイに美しくメイクをすることで自己肯定感の向上につながります。メイクをすることで気分が明るくなりコミュニケーションの円滑化や意欲向上にもなります。さらに、メイクセラピーはメイクをする前にフェイシャルマッサージも施すのでリラックス効果も期待できます。また、香りを楽しむなどでリラックス効果や精神の安定化などの心のケアを図れる「アロマセラピー」も、同時に行うことで安眠効果や認知症予防にもつながるのでおすすめです。どちらもスクールなどで研修を受講できるのできちんと知識やスキルを取得し、プロの施術者としてケアをしていきましょう。

園芸療法、音楽療法、回想法について

心のケアをするためには、植物や音楽の力も大切です。草花や野菜に水をあげたり世話をしたり、育てることで心が穏やかになりストレス緩和につながります。また、大事に育てようとする意欲向上が日々の生活にハリをつけることができます。畑はハードルが高いので、花一本やコンパクトな鉢植えから始めてみてはいかがでしょうか。
また、好きな音楽を聴く、奏でるといった「音に触れる」ことで、心の安定や発語の促進につながります。高齢者の方たちが好きだった思い出の曲を聴いたり歌ったりすることで周囲の人たちとのコミュニケーションを図るきっかけにもなります。懐かしい音楽を聴くことで当時の思い出を回想し、当時の出来事をみんなで語り合うことで認知症進行の予防や不安と孤独感を緩和することもできます。なお、音楽療法を行うには音楽療法士という民間資格を取得することもできるので気になる方は調べてみてはいかがでしょうか。

アニマルセラピー、アクアセラピー、ロボットセラピーについて

前述のセラピー以外にも、動物の世話をしたり一緒に遊んだり、触れ合うことで情緒の安定やストレス軽減につながるアニマルセラピー、水槽に流れる水の音を聴いたり水の色を鑑賞したりすることでストレスを緩和させるアクアセラピー、動物型のロボットを活用して実施するロボットセラピーなど、現代にはさまざまなセラピーがあります。自分が一番安らげるセラピーの方法を見つけて、心の健康を維持していきましょう。