「ドールセラピー」という言葉をご存じでしょうか。ドールセラピーとは、赤ちゃんの人形を活用して患者さんの心にアプローチを行う治療法のことです。認知症の患者さんが本物そっくりの赤ちゃんの人形を抱いてみることで、重さや感触、表情から愛情や幸福感などの感情を呼び覚ませるのが狙いです。
昨今、ドールセラピーにAIやロボット技術を導入し、高齢者の声や身体の動きに合わせて動いたり声を出したり、本物の赤ちゃんの動きを再現することが可能になりました。より本物に近くて、感情移入しやすい赤ちゃん人形の製作が可能になったことでドールセラピーの効果がアップしたと言えるでしょう。
今はまだあまり認知されていませんが、高齢者への「ドールセラピー」の導入は、日本国内でも数年前から多くの施設で始まっています。ドールセラピーの効果はとても大きく、「これまでは表情は乏しく、発言もほとんどなかった認知症高齢者がドールセラピーをスタートした途端、表情が穏やかになり、ご自身からの発言や希望を言えるようになりました」などの事例が多く報告されています。
AIや介護ロボットの最新技術を活用したドールセラピーには、人形を我が子のように可愛がることで愛情や子育てをしていた記憶をよみがえらせる役割があります。人間の機能の中で最後まで残ると言われているのが「感触」や「感情」です。本物に近い赤ちゃんと触れ合い、子育てをしていた頃の幸せな記憶や感情に訴えかけることで脳を刺激できます。出産や子育ての経験のない男性や女性でも、町や電車などで赤ちゃんを見るとニッコリと微笑むように赤ちゃんを尊いと感じ、慈しむ心は誰にでもあるものでしょう。
生まれたての赤ちゃんは、一人では何もできません。食事をすることや歩くこと、話すこともできないため自然と「守ってあげなきゃ」「お世話をしなければ」という気持ちになりますよね。その気持ちをきっかけに、自立的な生活を送るための意欲を回復させることにつながります。また、赤ちゃんを抱いたり、話しかけたり、靴下を履かせてあげたりなどの「子育て役」という役割によって、誰かの役に立っているという喜びを感じることができます。また、精神的な安定により認知症で失われた自信を取り戻し、自己肯定感を高めることにも役立ちます。
家族や友人たちとの会話は、不安な気持ちやストレスを和らげることにつながる他、脳を刺激する役割や認知症の予防にもなります。また、ドールセラピーはコミュニケーションを図るタイミングや機会を増やすこともできます。赤ちゃんを抱いていると、いつも苛々している人や無表情の人でも少し表情が柔らかくなるものです。自分の殻に閉じこもっていた人でも、赤ちゃんをきっかけに入居者やスタッフとの交流が生まれやすくなることで会話をしたり感情を表現したりする機会が自然と増えていきます。
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